データベースが必要になる理由
前回までにユーザーの登録フォームなどを作ってきましたが、特にデータの保存等はしてきませんでした。 Webアプリケーションを作る上で何かしらのデータを保存することは絶対に必要になってきます。データを個人で永続的に使うというだけであればデータベースでなくとも何かしらの形でファイルにアウトプットすればいいでしょうが、Webアプリケーションでは同時に別のユーザーから開かれる可能性があるのでファイルを開いていたら何か障害が起きかねません。そもそもアクセス速度やデータ分類などの面で問題がありそうです。
データベースはそれらを解決するために長年進化を続けてきました。特にRDBMS(リレーショナルデータベースマネジメントシステム 説明するにはちょっとDBの知識がいるので今は要するに『普通のDB』とでも思っていてください)は長く、現在も使われています。現在ではNoSQLなどRDBMSとは違うDBも出てきていますが、今回はこのRDBを学んでいきます。
データベース全体の特徴は
- なんといってもデータアクセス速度が速い
- 高度な検索が可能
- 同時アクセスされることを前提に作られている
DjangoでDBを使う
上記の通りDBを使うことにメリットが非常にあることがわかりましたが、一口にDBといっても色々なものが存在します。 Djangoだと使われがちなのは
- SQLite
- MySQL
- PostgreSQL
でしょうか。 それぞれ特徴があります。すごく雑に説明すると(上から)
- djnagoプロジェクトを作ると初期設定はこれ 軽い、高速 だけど大規模に向いてないので学習や小規模など ちなみにAndroidで採用されている
- 最も多く採用されているんじゃないかと言われている
- 導入コストが低く済む
すべて共通してオープンソースで、SQLというデータアクセス言語を使っています。
今回はPostgreSQLでいきましょう!
djangoにてPostgreSQLを設定をする
まずはインストールをします。 MacOSなら Homebrewを使ってすぐに終わります。
brew install postgresql
Winだったらまずはインストーラーをこちらからダウンロードしてください。
インストーラー起動するとディレクトリとかの設定は基本デフォルトで問題ないですが見慣れないスーパーユーザーのパスワードの設定をしてください、という項目があると思うので任意のものを設定してください。 またポートはデフォルトの5432でいいでしょう。 ロケールは デフォルトで
で、パスを通します。
環境変数設定で C:\Program Files\PostgreSQL\11\bin 先ほどインストールした bin を通して
パスが通ってることを確認。
psql --version
通ってたら成功です。
settings.py
をご覧ください。デフォルトのままであれば
|
|
このような記述をしてあるところがあると思います。 今はSQLiteで設定されているのでここをPostgreSQLに置き換えます。
|
|
さぁ実際にモデルを作っていきましょう。
No module named ‘psycopg2’
って言われたら pip install psycopg2
しましょう!
モデルを作る
DBの設定ができたので実際に入れていくデータの構造を定義していきたいですね。この「データ構造」のことをモデルと言います。前々回MVCアーキテクチャの話をしましたがそれのMに相当する部分です。
実際に作ってみましょう。
models.py
に書きます。
|
|
そんなに特別な部分はないのでわかるかと思いますが、idだけ補足しておくと名前付き引数で primary_key
にTrueを渡しています。これはこのidという要素にはAuto(自動的)に重複しない値をいれてくれるようになるように書いてあります。
ではモデルができたところで マイグレーション
をしていきましょう。
マイグレーションとは開発の途中でデータベースの構造を変更した際にどのような変更がされたか書くことです。 都度必要なので忘れないように。
最初に行うのはマイグレーションの設定ファイルをプロジェクト内に作成することです。
マイグレーション
(マイグレーションファイルがない場合) マイグレーションファイルを作る必要があります。
python manage.py makemigrations AppName
- Create model Member
これが出てれば問題ないです。
migration管理ファイルが完成したら実際にマイグレーションを実行します。
python manage.py migrate
これで実際にマイグレーションを行います。
DBのCRUD
データベースでの基本動作は
- create
- read
- update
- delete
の4つです。
それらをやっていきましょう。
C Create
ではさっそく保存ロジックを書いてみましょう。
|
|
インスタンス化して.save()を呼ぶだけです。
|
|
今までの知識を使うと Formクラスを継承したFormを作り、そこからPOSTさせて受け取って処理、、ということになりそうですがちょっとイケてないですね。せっかくフォームを独自で作ったのでPOSTメソッドから自分でparseして..ちょっと煩雑です。 そこで、ModelFormクラスを継承したフォーム作成を使ってみます。
|
|
バリデーションはちょっと雑になりましたがかなりsave回りがすっきりしたことがわかると思います。 空のMemberクラスをインスタンス化して、それをFormのinsntanceに渡します。第一引数であるrequest.POSTは言わずもがなですがPOSTの情報が入っているのでこのMemberModelFormのコンストラクタ内で自動的にPOSTがパースされてい入力されています。
|
|
ModelFormは中にMetaクラスを持っています。フォームに関する情報が用意されており、model =
に使用するモデルクラスを、 fields =
にフォームで表示する値をセットします。
R Read
管理画面編
モデルを作っただけでは管理画面から編集はできません。「このモデルは管理画面から編集できますよ」という宣言をするにはそれぞれのアプリケーションのadmin.py
を編集します。
|
|
これで編集できるようになりますのでadmin画面を開いてみましょう。
ユーザーを作っていませんでしたね。作りましょう。
|
|
作ったアカウントで入ってみると作ったモデルが表示されているかと思います。 ここから追加することもできるのでぜひ確認してみてください。
コード上で
パーセントコーディングのfor文でリストをさばきます。
|
|
|
|
urlsももちろん変更しますがsave後にリダイレクトされるように修正します。
U Update
情報のアップデートを行います。 基本的な流れとしては 対象のidをpathなどから取得 そのidのアイテムを取得してその情報をformに表示 postされたら変更情報を保存する
この流れでいきたいと思います。
まずは urls.py
の変更からいきましょう。
|
|
一覧画面からのidを渡されることを想定してフォームを表示する法の画面にはnameを先に設定しておいてみました。
Edit用のフォームを用意します。基本的には登録フォームと同じです
|
|
違うところは actionのところで post_edit
のほかにも id を 引数として受け取っているところでしょう。これはurlのpathに相当します。
次にviewsをいじって実際にDBから対象のデータを取得してみましょう。
|
|
urls.py
から受け取ったパスのidを使ってそのまま Member.objects.get(id=user_id)
で取得します。
あとは基本いつも通りです。
実際の更新処理に関しても
|
|
Createとほぼ一緒です。インスタンスを作るのではなくprimaryKeyであるIDを指定してあげてsaveを呼ぶだけです。
D Delete
DeleteもCreateやUpdateと特に違うことはしません。
|
|
関数だけ用意してみました。あとはpathから呼んでも、どんな形でもいいので実装してみてください。